ご参列のみなさまへ
葬儀の知らせは突然届くものです。
急な対応でも失礼のないように、最低限知っておくべきマナーや基本的な情報を紹介いたします。
服装について
- 参列する際には必ず喪服を着なくてはなりませんか?
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通夜も告別式も、取り急ぎ駆け付けるような時は平服のままで 参列しても構いません。
ただし、平服とはいえ男女ともに地味な色合いを選びましょう。大切な点は「亡き人への弔意」ならびに「ご家族への配慮」です。
男性は地味な色合いのスーツに黒のネクタイ、黒のソックスと黒の靴、女性も地味な色合いのスーツやワンピースに黒の靴を選びましょう。
また、女性のアクセサリーは、結婚指輪の他に何も付けないのが基本ですが、例外的にパールの一連ネックレスは許容されています。
香典について
- お香典はいくら持参したらいいですか?
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香典の金額はあくまでも準備する側の気持ち、そして故人との 関係性により変動するため金額は決められていません。
一般的な目安として下記の金額が参考になるといわれています。職場関係 5千円・1万円 友人知人 5千円 親類 1万円 祖父母 1万円 兄弟姉妹 3万円・5万円 両親 5万円・10万円 職場内、地域内、親戚内の取り決めがあればそちらを優先しましょう。
香典は袱紗に包み、新札は使わないようにしましょう。
- 香典袋(不祝儀袋)はどう選べばいいですか?
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宗教宗派によって装飾も表書きも異なりますので確認が必要です。
多くの香典袋がある中で、水引が印刷されたものや実物の水引がかけられたものがありますが、包む金額によって使い分けられています。
5千円までなら印刷の水引、1万円以上なら実物の水引を選びます。表書きについては、既に名目が印刷された状態で販売されているものも多く、これらを利用することができます。
上半分の中心に名目、下半分の中心に自分のフルネームを書き入れます。
中袋には表面の中心または裏面の右側に金額、裏面の左側に自分の住所氏名を書き入れます。仏式の場合 四十九日法要までは、黒白の水引の不祝儀袋に「御香典」または「御霊前」と書き入れるのが一般的ですが、浄土真宗については「御霊前」という名目は使用しないため注意が必要です。
四十九日法要以降は、宗派問わず「御仏前」と書き入れます。
【注意】表面に「蓮の花」が印刷されたものは仏式専用の不祝儀袋です。神式の場合 銀または黄白の水引の不祝儀袋に「御玉串料」または「御榊料」と書き入れます。
「御霊前」「御神前」という名目も使用できます。キリスト教式の
場合水引は不要です。
白無地の袋に「御花料」と書き入れるのが一般的です。無宗教の場合 白色の袋であれば水引の有無・水引の色も問いません。
「御霊前」と書き入れます。
- お香典はどのようにして持っていくのでしょうか?
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香典袋は、バッグなどに入れて折れたりしないように、袱紗(ふくさ)に包んでいくのがマナーです。
袱紗のつめを左側にして香典袋を中央に置き、右、下、上の順にたたみます。
最近では、香典袋を挟むだけの簡単な袱紗も販売されています。受付がある場合は、その場で香典を袱紗から取り出し、受付係の方が見やすい向きに反転させて手渡しします。
受付がなく、故人の枕元などに直接置く場合は、香典は自分の向きのままにします。
「お供えください。」など、一言添えることが大切です。
お悔みの言葉について
- お悔やみの言葉はどのように言えばいいですか?
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なるべく簡潔な言葉がよいでしょう。
人により状況は様々ですが、場合によって思わぬ支障を招くこともありますので、お悔やみには多くの言葉を並べず、短く伝えることを心がけましょう。
また、親しい間柄であっても、亡くなられた経緯・病名・病状などを尋ねることは大変失礼なことですので控えましょう。多くの場合、「この度はご愁傷様でございます。心よりお悔やみを申し上げます。」 といった言葉が聞かれます。
詳細な説明は省略しますが、浄土真宗では「ご冥福」「御霊前」という言葉を意識的 に避ける傾向があります。
その他、広く知られている言葉の中で「往生」「成仏」などがありますが、いずれも仏教用語ですので、神式、キリスト教式では使用しません。また、キリスト教では、人が亡くなることを「神に召される」と考えているため、 「帰天」「召天」といった言葉を広く使用しています。
- お悔みの言葉での注意点葬儀の場では相応しくない、使用してはならない言葉があります。
下記のような忌み言葉がこれにあたりますので特に注意が必要です。 - ・「くれぐれも」「かさねがさね」など、いわゆる重ね言葉
・「死亡」「亡骸」など、死や遺体を直接連想させる言葉
・「繰り返し」「引き続き」など、不幸の連続を暗示させる言葉
・「終わる」「切れる」など、不吉な印象のある言葉
- お悔みの言葉での注意点葬儀の場では相応しくない、使用してはならない言葉があります。
焼香について
- 焼香の作法がわかりません。どうしたらいいですか?
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通夜や葬儀に参列した際に、お香を焚いて礼拝をする一連の所作を「焼香」といいます。
葬儀における一つの作法であり、宗教儀礼ならではの約束事があります。焼香の作法としては、まず「自分が信仰している宗派の作法」で行う場合と、次に「ご葬家の宗派の作法」に合わせる場合があります。
自分が信仰している宗派の作法で行うことは、全ての仏式葬儀で通用しますので、念のため自分の宗派の正しい焼香作法を確認しておくとよいでしょう。ただし、実際の通夜や葬儀の場面では、あらかじめ「ご焼香は心を込めて一回で・・・」といったアナウンスをされることがあります。
これは焼香の回数を気にする方が見うけられることと、大規模な葬儀の場合は参列者の焼香回数が多ければ葬儀全体の時間も長くなってしまうことを考慮しての案内です。- 焼香の基本的な方法焼香には、立って行う「立礼焼香」と、座って行う「座礼焼香」、座ったまま香炉を手元に置き、焼香してから隣の人へ回す 「回し焼香」と、3つの方法があります。
まず、右手の親指・人差指・中指で抹香(香木を砕いた細かい木片)を少量つまみ、手を返して額の高さまでかかげます。(これを「押しいただく」といいます)
次に、抹香をつまんだ右手を香炉(炭の方)の上に移動させ、炭の上に抹香を落とします。このとき、数珠は左手にかけておきます。 - 焼香の回数焼香の回数は宗派によって違いがあります。
焼香の作法も宗派によって微妙に異なる部分があり、1回の焼香に気持ちを込める宗派もあれば、2~3回の焼香に意味を見出す宗派もあります。
額へ押しいただく所作なども宗派によって作法が異なります。
宗派名 焼香回数 浄土真宗本願寺派 1回 ※押しいただかない 真宗大谷派 2回 ※押しいただかない 真宗高田派 3回 ※押しいただかない 天台宗 1回または3回 回数の定めはない 真言宗 3回 浄土宗 1~3回 回数の定めはない 日蓮宗 参列者は1回 導師は3回 曹洞宗 2回 1回目のみ押しいただく 臨済宗 1回 押しいただくか否か定めはいない 黄檗宗 3回 ※押しいただくとは…つまんだ抹香(まっこう)を額の高さまでかかげること。
※但し、会葬者が多い場合や場所の都合により回数が異なる場合があります - 焼香の基本的な方法焼香には、立って行う「立礼焼香」と、座って行う「座礼焼香」、座ったまま香炉を手元に置き、焼香してから隣の人へ回す 「回し焼香」と、3つの方法があります。